遮音パネルの弱点
遮音パネルの既製品は、大半が石膏ボードに厚さ1ミリ~4ミリの遮音材を張り付けて加工したものです。
遮音材の素材は、合成樹脂、再生ゴム、再生アスファルト基材、鉛シート、既製の遮音シートです。
このため、使用する素材や厚さによって周波数ごとの透過損失(遮音性能)に大きなばらつきが生じます。
メーカーによって特性が異なる遮音パネルが市場に存在します。
ですが、遮音パネルは共通して、つなぎ目からの音漏れが弱点です。また、遮音材の性能によっては石膏ボードのコインシデンスを改善できないお粗末な製品になります。
遮音パネルを重ねて張り付けるだけの防音工事を推奨する業者は、音響防音設計は素人と言っても良いでしょう。
同じ厚さの防音対策でも、遮音性能に差が出る理由は、概ね上記による複数の要因が重なって起きると言えます。
これに加えて吸音層や制振処理の内容によって、総合的な防音性能が変化します。製品の特徴や防音効果を把握してから、工法や適切な製品を活用しなければなりません。
*参考記事:遮音パネル・シートと防音室