薄いコンパクト防音の基本

薄い防音対策の基本、豆知識について綴ります。とくに防音材などの施工要領・工夫について述べます。

防音素材の特性

防音素材は、大別して遮音材、制振材、吸音材というものがあり、これらを適切に組み合わせて生活防音や防音室の施工を行います。

 

なかでも重要なのが遮音材ですが、石膏ボード、合板類も遮音材に含まれます。

 

たとえば、石膏ボードと遮音ゴムマットは遮音特性が異なり、組み合わせることで相乗効果が期待できます。

防音素材の特性をご覧ください。

 

柔軟性のある比重の大きな遮音ゴムマットは、石膏ボードの弱点となる周波数帯を補完し、全体的に遮音等級を上げることができます。

石膏ボードを重ねて改善できない弱点を、わずか厚さ3ミリの遮音ゴムが改善し、相乗効果をもたらします。

 

これは防音素材のもつ固有の特性であり、組み合わせることによって防音効果を高めることができることを実証しています。

 

異なる遮音特性の素材を複合的に組み合わせるのは、吸音材を併用する構造でも見られます。それが防音設計です。

 

とくに木造建物においては、比較的薄い構造でも遮音効果を大幅に高めることを、上記のような特性を複合化することで実現できます。

遮音パネルの弱点

遮音パネルの既製品は、大半が石膏ボードに厚さ1ミリ~4ミリの遮音材を張り付けて加工したものです。

遮音材の素材は、合成樹脂、再生ゴム、再生アスファルト基材、鉛シート、既製の遮音シートです。

このため、使用する素材や厚さによって周波数ごとの透過損失(遮音性能)に大きなばらつきが生じます。

メーカーによって特性が異なる遮音パネルが市場に存在します。

 

ですが、遮音パネルは共通して、つなぎ目からの音漏れが弱点です。また、遮音材の性能によっては石膏ボードのコインシデンスを改善できないお粗末な製品になります。

遮音パネルを重ねて張り付けるだけの防音工事を推奨する業者は、音響防音設計は素人と言っても良いでしょう。

同じ厚さの防音対策でも、遮音性能に差が出る理由は、概ね上記による複数の要因が重なって起きると言えます。

これに加えて吸音層や制振処理の内容によって、総合的な防音性能が変化します。製品の特徴や防音効果を把握してから、工法や適切な製品を活用しなければなりません。

*参考記事:遮音パネル・シートと防音室

石膏ボードと合板の特性

石膏ボードも合板も建築の下地材であり、内装仕上げのベースとなるものです。

防音材の分類では、「遮音材」になり、主に空気伝播音の遮断に効果のある素材ですが、透過損失(遮断性能)を周波数帯別にみると特性が異なります。

石膏ボードは低音域(概ね125Hz以下)と高音域(概ね2000Hz以上)に弱点があり、高音域ではコインシデンスと呼ばれる顕著な遮音低下が起きます。

合板は概ね緩やかな右肩上がりの透過損失になりますが、石膏ボードと同じくコインシデンスの起きる周波数帯があり、必ず弱点があります。ただし、コインシデンスが起きる周波数帯は構造用合板、シージングボードなど製品によって異なり、ずれます。

また、床下や界壁、天井など空洞がある構造体に使用する場合、両製品ともに共振透過する現象が起きるので、石膏ボードと合板の組合せだけでは、避けることができないものです。

ですが、石膏ボードと合板は遮音特性が異なるので、併用することによって質量則を超える防音効果を出すことができるため、単一素材を重ねる工法よりも有利になります。

専門的な防音材を併用すると、コインシデンスなど弱点を抑えることができますので、音響・防音設計において、効果的に活用したいものです。石膏ボード+合板+防音材という複合的な組み合わせが望ましいです。

はじめて、このブログを使います

このメーカーのブログは、初めてですが、知人が使っているので興味を持ちました。

ブログのタイトルにあるように、本業の音響・防音設計の中から、基本的な事例や原則を中心に記事を投稿して行こうと思います。

必要に応じて関連リンクを入れますので、合せてご覧いただければ幸いです。

では、少しずつカスタマイズしながら、投稿します。